中長期投資家の独り言

投資の技術的なこと、心構えなどを気の赴くままに。

多くの投資家さんの悩みの種である“握力”について考えます。相場における握力とは、何があっても、“目的の期間”あるいは“目標価格に達するまで”「持ち続ける力」だといえます。握力をつけるために必要なことを何点か挙げます。

 

・徹底的な調査

「売らないために調べる」という言葉がありますが、事前調査にどれほどの力を使うかによって握力は変わってきます。徹底的に調べれば自信もつき、値動きに翻弄されることは減るはずです。別の誰かの言葉を借りると、「値動きに惑わされるのは、調査がそのレベルまで達していないからだ。」というものがあります。しっかりと調べていれば、少々の値動きに耐えられるということです。

 

・数年後の姿を思い浮かべる

これも握力をつけるのに有効な方法の一つです。企業を調査したときに数年後の企業の姿を思い浮かべます。そうすることで、下げ相場においても企業の将来の姿がよぎり、しっかりとホールドすることができます。


・あらかじめ下がった時を想定する

投資家が動揺するのは、想定外の事象が起こった時です。相場が上昇することしか頭にない投資家に下げ相場の洗礼が来た時、投資家は理性を失い、値動きに翻弄されて投げ売りを行います。事前に相場が下がることを想定しておけば、そうしたことにはなりません。上がることは考えず、思惑と逆に行くことだけを考える。そうすれば、有事への心の備えも万全です。


・値動きを見ない

頻繁に値動きを見る事も握力を低下させてしまう要因です。上がれば喜び、下がれば悲しむ。そうしている間に投資家は投機家へと変化してしまいます。投資は企業の一部を買うことであり、株式を買うことではありません。値動きを見ないことも握力を高めるための方法の1つです。


 

そこのような手段を用い、何度か成功体験を重ねるにつれ、自然と握力がついてくると思います。


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個別株を選ぶ際は、投資対象をボトムアップで選ばれる方が多いかと思います。四季報をめくり、企業を選び、そして企業を仔細に見ていくという手順です。ですが、各業界の大局を頭に入れていくことで企業を見た時のリアクションが速くなります。ボトムアップで企業を選びつつ、トップダウンをスパイスし、企業を選ぶことができるのです。

今日は中長期投資家の方に参考になる4誌をご紹介します。それぞれがテーマや業界状況について細かく解説してくれています。






業界地図は他社も発行しています。有名なものは日経新聞社が発行する業界地図ですが、内容や読みやすさでは東洋経済社に軍配が上がります。東洋経済新聞社には四季報によるデータの蓄積とノウハウがありますから、東洋経済新聞社の業界地図の内容が圧倒的に充実しています。ページ数はそれほどなく、通読して全ての業界を知っておくような使い方かいいもしれません。


日本国勢図会〈2017/18〉
矢野恒太記念会
2017-05-01



各業界の統計数値を文章と共に、ひたすら羅列した書籍です。全国ポストの数から各地域の病院の病床数まで、幅広く網羅しています。それぞれのデータは点ですが、全てに目を通すことで点と点が結びつきます。また、単に数字に目を通すだけではなく、自分で予想しながら数値を見ていくといいかもしれません。そうすることで自然とフェルミ推定のスキルが身に付き、企業分析にも役立つと思います。








製造業は個人投資家にとって一番難しい投資対象かもしれません。業界に馴染みが無い上、何を作っていて、それがどういった役割を果たすのかを知らないためです。本書においては、様々な製造業における製造工程から最終製品を解説、さらに中間部品・素材を写真付きで解説しています。製造業で面白そうな企業を見つけたけれど分かりにくい、そうした時に手に取ると役立ってくれる1冊かと思います。








1年間で話題になったテーマやトピックニュースを総ざらいしてくれる一冊です。ジャンルも幅広く、何が起こったのかをしっかり把握するのに役立ちます。年末に本書を読み、来年について考えるという使い方がよろしいかと思います。



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☆振り返り
先週の月曜日、突如北朝鮮がミサイルを発射しました。CME日経先物では一時19,000円を付ける展開でしたが、「米国への脅威ではない」との米高官の発言から徐々に落ち着きを取り戻し、100円強の下げで引けました。結局、週間では想定外の上昇を見せ一週間の取引を終えました。

9月9日の建国の日に近づくにつて、北朝鮮リスクがより意識される展開になるとは思います。ですが、一旦の出尽くし感で市場には安心感が広まりました。



☆もう一つのリスク
米国に目を移すと債務上限問題が9月に控えており、ハービーの影響で期日が数日早まるようです。中にはハービーの影響で、「かえって議会のまとまりがよくなるのでは」という声も聞かれました。


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米10年債利回り

通常、財政問題が起これば債券売り→金利急騰という流れが自然です。ですが、10年債利回りは不気味なほど低位で安定しています。1つの可能性は債務上限問題の落ち着きを織り込んだもの。そしてもう一つは”リスクプレミアムでの金利上昇”以上に”景気に対する見通しが悪い(金利低下要因)”というもの。金利低下要因の圧力が大きく働き、金利が低位に抑えられているという考え方もできます。筆者は金利のボラテリティが低いため前者の可能性を見ています。よって、週末の日本株上昇は2つのリスクが後退したことによるものと説明できます。

☆雇用統計
イールドカーブがフラット化しているだけあって、債券市場の景気見通しは暗いままです。

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米国債 イールドカーブ


これを裏付けるかのように金曜日発表の雇用統計は低調な数値となりました。ただ、(賃金上昇率やU-6、下方修正は置いておいて)15万人という最低ラインを維持しているため、良くはないけれど悪くも無いといった評価を与えることができるように思います。


☆ゴルデロックス相場継続へ
ハリケーンや低調な経済統計を受けて、FRBの引き締め速度が減速するという見通しからFF金利先物では12月の利上げ織り込み度は40%となっています。

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市場もなかなかタイトニングを織り込めない状態であり、しばらくは緩和でも引き締めでもないぬるま湯状態が続くというのが市場コンセンサスなようです。それを反映するかのように、ダウとナスダックは強いチャートを形成しています。



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☆再度もう一つのリスク 北朝鮮
米国のリスク(債務上限、引き締め)は一旦沈静化したため、日本市場の関心は北朝鮮問題に向くでしょう。本日3(日)には度重なる核実験を行っており、週明けの株式市場は地政学リスクが意識される展開となりそうです。


☆慣れてしまった日本
そうはいっても、頭の上をミサイルが通過するのと北朝鮮国内で核実験が行われるのとではリスクの捉え方が異なります。長期的には核の兵器化はリスクでありますが、週明けは地政学リスクを意識しつつも落ち着いた展開を見せるのではないかと考えています。


☆チャート的には節目でサポートされる展開
日経平均の週足チャートに目をやると、週足の基準線でサポートされています。基準線はトランプ相場以降のサポートラインとして機能し、相当強いサポートラインとして意識されます。同レベル19,000円前半を下抜けるかどうかが今後の相場を占う上での鍵となるでしょう。

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