中長期投資家の独り言

投資の技術的なこと、心構えなどを気の赴くままに。

☆振り返り
先週の月曜日、突如北朝鮮がミサイルを発射しました。CME日経先物では一時19,000円を付ける展開でしたが、「米国への脅威ではない」との米高官の発言から徐々に落ち着きを取り戻し、100円強の下げで引けました。結局、週間では想定外の上昇を見せ一週間の取引を終えました。

9月9日の建国の日に近づくにつて、北朝鮮リスクがより意識される展開になるとは思います。ですが、一旦の出尽くし感で市場には安心感が広まりました。



☆もう一つのリスク
米国に目を移すと債務上限問題が9月に控えており、ハービーの影響で期日が数日早まるようです。中にはハービーの影響で、「かえって議会のまとまりがよくなるのでは」という声も聞かれました。


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米10年債利回り

通常、財政問題が起これば債券売り→金利急騰という流れが自然です。ですが、10年債利回りは不気味なほど低位で安定しています。1つの可能性は債務上限問題の落ち着きを織り込んだもの。そしてもう一つは”リスクプレミアムでの金利上昇”以上に”景気に対する見通しが悪い(金利低下要因)”というもの。金利低下要因の圧力が大きく働き、金利が低位に抑えられているという考え方もできます。筆者は金利のボラテリティが低いため前者の可能性を見ています。よって、週末の日本株上昇は2つのリスクが後退したことによるものと説明できます。

☆雇用統計
イールドカーブがフラット化しているだけあって、債券市場の景気見通しは暗いままです。

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米国債 イールドカーブ


これを裏付けるかのように金曜日発表の雇用統計は低調な数値となりました。ただ、(賃金上昇率やU-6、下方修正は置いておいて)15万人という最低ラインを維持しているため、良くはないけれど悪くも無いといった評価を与えることができるように思います。


☆ゴルデロックス相場継続へ
ハリケーンや低調な経済統計を受けて、FRBの引き締め速度が減速するという見通しからFF金利先物では12月の利上げ織り込み度は40%となっています。

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市場もなかなかタイトニングを織り込めない状態であり、しばらくは緩和でも引き締めでもないぬるま湯状態が続くというのが市場コンセンサスなようです。それを反映するかのように、ダウとナスダックは強いチャートを形成しています。



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☆再度もう一つのリスク 北朝鮮
米国のリスク(債務上限、引き締め)は一旦沈静化したため、日本市場の関心は北朝鮮問題に向くでしょう。本日3(日)には度重なる核実験を行っており、週明けの株式市場は地政学リスクが意識される展開となりそうです。


☆慣れてしまった日本
そうはいっても、頭の上をミサイルが通過するのと北朝鮮国内で核実験が行われるのとではリスクの捉え方が異なります。長期的には核の兵器化はリスクでありますが、週明けは地政学リスクを意識しつつも落ち着いた展開を見せるのではないかと考えています。


☆チャート的には節目でサポートされる展開
日経平均の週足チャートに目をやると、週足の基準線でサポートされています。基準線はトランプ相場以降のサポートラインとして機能し、相当強いサポートラインとして意識されます。同レベル19,000円前半を下抜けるかどうかが今後の相場を占う上での鍵となるでしょう。

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オールタイムベスト3書籍を掲載します。

1位







手にとって、まず思うのが「文章が多く教科書みたい」といったもの。1回目を読んだ時は消化できませんでした。ですが、2回目、3回目と読むうちに本質やこの本の凄みが徐々に分かるようになってきました。

本書では、投資哲学の基礎となる、大切な物事の考え方を20個紹介してくれています。なんとなく経験を積むよりも、ここに書かれている教えを基に相場経験を積めば、成長曲線も加速すると思います。

結局、一番大切な1冊ということで、いつでも手に届くところに置くようになりました。ウォーレンバフェットも推薦する1冊。


2位




手に取って思うのは、分厚い!でしょうか。確かにとても分厚く、簡単な辞書くらいのサイズになります。ですが、内容はとても読みやすく、すらすらと頭に入ってきます。

様々な事例を基に、不確実な現代社会で如何に生き延びるのかについて教えてくれます。企業経営の本ですが、④は不確実性の塊である投資の世界にもそのまま役立てることができます。

追い風の時も向かい風の時も心に留めておきたい内容ばかりの、刺さる1冊です。



3位

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
ナシーム・ニコラス・タレブ
ダイヤモンド社
2008-02-01



とにかく難しい1冊!それもそのはず、著者はガチガチの哲学者です。同氏の著書にはブラックスワン強さと脆さ反脆弱性などがありますが、どれも大変冗長的というか、難しく書かれています。

その中でも比較的読みやすいのがこの1冊です。そして内容もFooled by Randomness ~ランダム性に騙されて~ということで相場に関わる人になじみ深い内容です。

書籍の中では、”違った世界”や”弾倉1,000発のリボルバー”など、独特の考え方が出てきます。それらを通して金融市場を見た時、市場で遭遇する運やまぐれに対して、これまでと異なった捉え方が出来るはずです。


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☆問いかける事
銘柄を購入する前に、最終確認として2つの事を自分に問いかけます。

1つ目は「下がっても持ち続けることができるか」
2つ目は「100%保有してもいいと思える銘柄か」

1つ目の「下がっても持てると思うか」というのは2つ目と密接に結びついています。つまり、100%保有してもいいと思える銘柄であるならば、下がっても持つことができるということです。結局1つ目は2つ目に集約され、「100%保有してもいいと思える銘柄か」を自分に問うている事になります。少しトートロジーな感じになりましたが、2つ目について掘り下げます。


☆2つのリスク
100%保有してもいいと思える銘柄というのは、そう簡単には出てこないように思います。ですから、分散というのは目的ではなく、結果であるということができます。もし、分散をリスクを低減させるために行っているのであれば、おおよそ8銘柄も保有すれば十分に分散されていることになります。

個別株のリスク=マーケットリスク(市場リスク)+ユニークリスク(個別リスク)です。そして(約)8銘柄に分散すると、個別リスクの大半は取り除かれてしまいます。よって8銘柄程度以上を保有する場合は、”調査銘柄増加にかかるコスト”と”分散によるベネフィット”を比較考量する必要があります。


下の図は2種類のリスクと銘柄数を図にしたものです。


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*8銘柄はおおよその目安


銘柄数を増やせば増やす程、個別リスクが減少し、ポートフォリオが市場リスクに近似することが分かります。8銘柄も保有すれば、ほぼ個別リスクは消え去るということが図からも理解できます。


☆最適解の探求
理論(非βボラテリティの低下)上、分散は8銘柄程度で十分。となると何銘柄が最適なのか、自分なりの解を探すことが大切になります。人によっては「保有する事の喜び」が「銘柄管理のコスト」を上回るケースもあるかと思います。株式投資は利潤の追求であり、経済原理に基づいたものである事は確かです。ですが、非合理なのが人間のいい所でもあります。AさんがBさんのポートを見て「分散しすぎ」だと言うかもしれませんが、その銘柄数がBさんにとっての最適解なのです。人によってベネフィットに対する尺度が異なるため、最適解が異なるのは当然だと言えます。


☆まとめ
話が拡散してしまいましたが、まとめます。

・リスク分散のためには1桁銘柄(約8銘柄程度)の保有銘柄数で十分

・それ以上保有する場合は「銘柄監視のコスト」VS「さらなる個別リスク低減+保有することによるベネフィット」を比較考量する必要がある

・人によって感じ方は様々。経済原理による大小関係と実際に取りうるアクションは異なる。


四季報発売が近づいてきました。銘柄を加える際はこういったことを考えてみるのも面白いかもしれません。





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