企業のあげるパフォーマンスの過半は、その企業が属する業界によって影響されると言われています。これはポーターのポジショニング理論の基盤ともなっている考え方で、投資にも取り入れています。

「企業が属する業界が魅力的で、尚且つその市場内で独自のポジションを取っている企業に投資する。」そうしたやり方でこれまで投資してきました。仮に業界成長が年率10%であるなら、企業は何もしなくても業界成長と同じ10%の成長の恩恵に預かることができるからです。

ですが、決して魅力的と言えない業界からも10倍株があふれ出てきます。というより、魅力的でなく、真っ先に投資対象から外す業界の方が10倍株が多いような気さえしてきます。この事象に対しては、ロジカルな説明ができます。成長産業には、その魅力さ故、数多くの企業が参入してきます。当然ながら競争は厳しくなり、超過収益は競争により蝕まれていくのです。

他方で参入障壁の高い斜陽産業に目をやると、基本的に新規参入はそれほど多くありません。参入しても大きく儲からない以上、業界は既存事業者のみで占められ、その既存事業者も徐々に撤退していきます。そうして残るのは、ある種の寡占状態であり、残された美味しいパイを数社で分け合うことになるのです。いわゆる”刈り取り”という状態です。

飲食業は斜陽産業でありますが、数えきれない企業であふれかえっています。参入障壁も低く、お世辞にも刈り取りができる状態の業界とは言えないでしょう。飲食に限らず、そうした業界に属する企業が好業績を出している時、「違和感」を感じるはずです。その違和感こそが大切で、企業の強みを見つけるヒントになると思うのです。”普通に考えれば儲からないのに儲かっている”、そこには理由があるはずで、それを探す事が強みの発見になり、そして10倍株の発見につながるのかもしれません。そうした視点から、今号の四季報を読み進めたいと思います。


P.S. こうした思考にご興味のある方はポーターの「競争の戦略」をどうぞ。凄まじくマニアックですが、経営学ではスタンダードな一冊です。

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