中長期投資家の独り言

投資の技術的なこと、心構えなどを気の赴くままに。

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☆かつて来た道

誰も忘れることのできない2008年9月15日リーマンショックから9年以上が経過しました。2008年から2009年の春にかけて、毎日のように日経平均が4%、5%と下落し、血の気の引いたキャスターさんの顔が印象的でした。


☆今いる場所
現在の景気拡大は100か月に差し掛かり、歴史的にも長い部類に入ります。全ての物にサイクルが存在するとすれば、今後さらに景気が良くなるのか、はたまた踊り場やリセッションに陥るのかと考えた時、当たり外れは別として後者への準備を行うのは妥当だと思います。現在は局所的にバブルが観察されますが、大規模に発生しているという様子はなく、株式市場もバブル前のフロスの状態なのかもしれません。カナダの住宅市場ではバブリーな様子が伺えますが、市場が大きくないため、世界金融へのインパクトは限定的かと思います。


☆資金の流れ
金融危機後の戻り相場では資金はローリスク資産からハイリスク資産へと移動します。逆に相場から資金が引く時はハイリスク資産からローリスク資産への順で資金が引いていきます。2009年以降の金余り相場と長く続いたゴルディロックス相場により、国債から社債へ、株式へ、新興国株へ、グロース株へ、ハイイールドへ、仮想通貨へ、、、といった順に資金が入ってきています。資金が抜ける時はこの逆になりそうです。


☆バブルの真理
全てのバブルには一抹の真理が隠れています。そして、それを拠り所に価格は急激な上昇を見せます。例えば「ITは世界を変える」という一抹の真理がバブルの基になりました。2017年以降は「仮想通貨が世界の支払いを変え、ブロックチェーンが世界をよくする」という一抹の真理により、同市場には資金が大量に流れ込みました。行き場を失った資金が、時価総額の小さい同市場に流入。結果として価格が急騰しています。イメージとしてはGPIFがマザーズ市場に到来したといった感じでしょうか。


☆仮想通貨
仮想通貨がバブルのどの位置にあるのかは分かりませんが、サイクルの後半であることは確かだと思っています。BTC初のハードフォーク(HF)の前には警戒感から大きな売りが出ましたが、その後はHF依存症が見られ、ネガティブイベントであるはずのHFが好材料として受け入れられるようになりました。悪い材料が無視されて、いい材料だけにスポットライトが当たるというのも、サイクル後半に見られる現象です。また、バブル末期には関連商品で「詐欺」が横行するのも特徴のようです。中身のないICOや、一時期話題になった日利数%のポンジスキームの横行もサイクルの位置を教えてくれている気がします。ブロックチェーン技術が世界を変えることは事実ですが、同技術と仮想通貨の値上がりは分けて考えるべきもので、混同しすぎるのは問題かなぁと自戒の念も込めて書いておきます。


☆今後の対応
仮想通貨市場に参入したのは2016年の4-5月で1BTCが3万円の頃でした。チャートばかり見ていました。ただ、「一抹の真理」が存在することからバブルの素地が整っており、「ひょっとすると」と思い参加したのが始まりで、結果的には「まぐれ」となりました。盛り上がった市場からの撤退はなかなか難しく、頭を悩ませています。ただ、仮想通貨全般の上昇により、資産全体に対して「大きすぎるウェイト」を占めるようになった場合は、断続的に利益を確定させ、「ほどほどの比率」を維持させるつもりです。

また、出金したお金の大半は銀行に眠らせていますが、徐々に金ETFを購入していきます。詳細は詰めていきますが、最終的には資産全体の25%まで比率を増やす予定です。金以外にも代替投資先はありますが、投資家のDNAの奥深くにはリスク=金買いという公式が埋め込まれており、またデリバティブなどのインフラも整っているため、資金流入は容易で、将来の資金流入を見越した先回りの対応です。


☆トリガー待ちの市場
リセッションに陥るには必要条件に加えて、トリガーとなるカタリスト(材料)が必要です。債券市場では長短金利差が縮小し、所謂ベアフラットニングが見られます。だからリセッションが近いという訳ではありませんし、フラットニングには幾つかの需給要因も絡むため、単純な公式は成り立たちません。ですが、注意は必要だと思います。また、S&Pの益回りと10年債利回りのスプレッドも徐々に縮小傾向にあります。リスク性資産への資金流入も相場サイクル末期を匂わせます。

景気後退のパターンの多くが金融引き締めによる「オーバーキル」か「長期金利の急騰」によりもたらされます。今後はFRBのBS縮小に加えて、断続的な利上げも行われるためオーバーキルというトリガーが発動するかもしれません。また、「長期金利の急騰」にも注意が必要で、「10年債利回り>PCE+3%」が相場が崩れる一つの目安だと言われています。

景気が東京五輪の2020年まで持ってくれれば嬉しいですが、全ては米国次第ですので、個人的には2018年内には景気が山をつけるのでは?と思っています。


☆観察する
見るべきものが多すぎて、何を観察すればいいのか分かにくですが幾つかの市場を観察することで、リセッションの芽を見つけられるかもしれません。

債券市場・・・長短金利差や10年債利回りの絶対水準など

米株式市場・・・株価は景気の山に半年ー1年ほど先行するため、米株のチャートを見ておくといいかもしれません

仮想通貨市場・・・独自の要因で動いていますが、リスク性資金の終着点であり、同市場が崩れるのは市場のリスク許容度が下がっている証拠かもしれません

金価格・・・マクロを熟知し、勘のいい機関投資家はリスクに備えて金へ資金を移動するため、金価格の上昇も資金移動という点から間接的に危険を教えてくれそうです


「予測は不可能、準備は可能」
「予測は不可能、準備は可能」とは、「投資で一番大切な20の教え」の著者「ホワード・マークス」の言葉です。「Big Short」のような華麗な一発は難しくても、色々な場所に目を配ることで守りの姿勢を固められるかもしれません。


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☆発表された日本での課税


先日、仮想通貨課税の具体的な内容が国税HPに記載されました。そして、その方向性は日米で真逆を向いているように思われました。まず、先日発表された日本の課税についてです。

仮想通貨取引は「雑所得」【仮想通貨まとめ】


内容としては売買差益に雑所得という一般的なものでした。FXもかつては「雑所得で総合課税」でしたが、現在では「先物取引に係る雑所得等」となっています。つまり、先物取引等と損益が通算でき、さらに損失の繰越も可能となっています。

仮想通貨の現行の課税方式は、投資家にとっては極めて分の悪いものと言えそうです。ですが、法整備が進み裾野が広がるにつれて、「先物取引に係る雑所得等」として扱われるのではないかと思っています。


☆仮想通貨でモノを買う場合

それに加えて、仮想通貨でモノを購入した場合の課税についても明記されています。例えば1BTCを1万円で買い、購入した1BTCを利用して6万円のテレビを購入した場合を考えます。このケースでは1BTCの差益である6-1=5万円が雑所得として課税対象となります。

そして、その数日後、米国では以下の法案が下院に提出されました。

米下院に新法案、600ドル未満のビットコイン消費は非課税 【bitcoin news】


かつては仮想通貨によるモノの売買にも課税されていた米国。先の例でいうと、テレビを購入した場合の差益5万円分に課税されていましたが、それを今後非課税にするという案です。日米で真逆の課税方針となっています。


☆米国の目指すところ

米国の新法案の目的は「課税が日常生活での仮想通貨普及の妨げにならないようにする」所にあります。日米の課税の違いに、米国官民一体となってのデファクトスタンダ―ダー志向が見え隠れしました。

デファクトスタンダードとは、使われれば使われるほど価値の上がるサービスで覇権を取った者を表現した言葉です。GoogleやFacebookはデファクトスタンダ―ダーの最たる例です。例えばFacebookは、皆が使っているから自分も使い、それを見た他人も同じサービスを使うという過程(正の外部効果という経済原理)を経て、デファクトスタンダードを獲得しました。一方で日本のmixiは正の外部効果にモノを言わせた黒船に駆逐されるに至りました。

米国企業を見てみると世界の覇権を握り、そしてデファクトスタンダーダーとして振る舞うことで周囲のエコシステムも上手く取り組み、自国経済の活性につなげています。仮想通貨のアイディアも恐らくは日本発ではありますが、完全に米国に主導権を握られたと言えそうです。

中国は資本流出への懸念から「ICOの中止や取引所の閉鎖を発表した」と伝えられています。ですが、こうした施策は、長期的に見れば世界の潮流に逆行するものであり、賢明であるとは思えません。一方の米国では規制をかけつつもICOをうまく使いこなし、仮想通貨という巨大市場の覇権を握ろうとしているように見えるのです。

全く異なる課税方式がほぼ同時に発表されたため、思うところがあり記事としました。


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先日、中国がICOを禁止するというリリースが突如発表されました。仮想通貨はアルトコインも含めて軒並み下落し、ビットコインのフォーク以来の下落を見せました。ICO禁止に対する既存仮想通貨への見方は2つに分かれると思います。

その1、競合減少による既存通貨の地位向上
ICOで新通貨が出れば、当然の事ながら既存通貨からそちらへと資金流出が起こります。日経CNBCでもコメンテーターの方が、既存通貨の地位を維持するためにはICO禁止はプラスではないか?と仰っていました。ロジカルに考えれば真っ当なご意見なのですが、マーケットの反応は異なりました。

その2、マーケットとして裾野の広がりが抑制される

今回のICO禁止で仮想通貨が急落した背景には、裾野の広がりが抑制されることへの懸念があったように思います。黎明期である仮想通貨市場の新しい資金調達手段であるICOが禁止されれば、それだけ通貨市場の活性度が落ちることになると市場は考えたようです。


株式市場においては、IPOが好調な時は既存銘柄も堅調に推移します。また、IPOの盛り上がりにより、株式市場に新規資金が流入する現象もよく見受けられます。そう考えていけば2つ目の考えを背景に市場が急落したのも頷けます。


直近では8日、中国高官が「ICO禁止は一時的」と述べており、それが市場の反転材料となっています。いくら規制の厳しい中国でも時代の流れに逆らえる訳もなく、米国同様にICOがスタンダードになっていくものと思われます。中国が仮想通貨に厳しいのは、国外への資金流出を恐れているからであり、それが収まれば同国でのICOは広がりを見せるように思います。

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