☆発表された日本での課税


先日、仮想通貨課税の具体的な内容が国税HPに記載されました。そして、その方向性は日米で真逆を向いているように思われました。まず、先日発表された日本の課税についてです。

仮想通貨取引は「雑所得」【仮想通貨まとめ】


内容としては売買差益に雑所得という一般的なものでした。FXもかつては「雑所得で総合課税」でしたが、現在では「先物取引に係る雑所得等」となっています。つまり、先物取引等と損益が通算でき、さらに損失の繰越も可能となっています。

仮想通貨の現行の課税方式は、投資家にとっては極めて分の悪いものと言えそうです。ですが、法整備が進み裾野が広がるにつれて、「先物取引に係る雑所得等」として扱われるのではないかと思っています。


☆仮想通貨でモノを買う場合

それに加えて、仮想通貨でモノを購入した場合の課税についても明記されています。例えば1BTCを1万円で買い、購入した1BTCを利用して6万円のテレビを購入した場合を考えます。このケースでは1BTCの差益である6-1=5万円が雑所得として課税対象となります。

そして、その数日後、米国では以下の法案が下院に提出されました。

米下院に新法案、600ドル未満のビットコイン消費は非課税 【bitcoin news】


かつては仮想通貨によるモノの売買にも課税されていた米国。先の例でいうと、テレビを購入した場合の差益5万円分に課税されていましたが、それを今後非課税にするという案です。日米で真逆の課税方針となっています。


☆米国の目指すところ

米国の新法案の目的は「課税が日常生活での仮想通貨普及の妨げにならないようにする」所にあります。日米の課税の違いに、米国官民一体となってのデファクトスタンダ―ダー志向が見え隠れしました。

デファクトスタンダードとは、使われれば使われるほど価値の上がるサービスで覇権を取った者を表現した言葉です。GoogleやFacebookはデファクトスタンダ―ダーの最たる例です。例えばFacebookは、皆が使っているから自分も使い、それを見た他人も同じサービスを使うという過程(正の外部効果という経済原理)を経て、デファクトスタンダードを獲得しました。一方で日本のmixiは正の外部効果にモノを言わせた黒船に駆逐されるに至りました。

米国企業を見てみると世界の覇権を握り、そしてデファクトスタンダーダーとして振る舞うことで周囲のエコシステムも上手く取り組み、自国経済の活性につなげています。仮想通貨のアイディアも恐らくは日本発ではありますが、完全に米国に主導権を握られたと言えそうです。

中国は資本流出への懸念から「ICOの中止や取引所の閉鎖を発表した」と伝えられています。ですが、こうした施策は、長期的に見れば世界の潮流に逆行するものであり、賢明であるとは思えません。一方の米国では規制をかけつつもICOをうまく使いこなし、仮想通貨という巨大市場の覇権を握ろうとしているように見えるのです。

全く異なる課税方式がほぼ同時に発表されたため、思うところがあり記事としました。